太神山(2025.7.7)

一昨年に初めて登って以来、勇んで通っている湖南アルプス。今回は太神山(たなかみやま)に登りました。折しも山頂にある太神山不動寺は令和の大補修を終えたばかりでしたが、そのことを知らずに登ったため、かえって予期しない感動がありました。

 

迎不動近くの登山口から出発します。下山路としてこの道を利用することはありましたが、登りに使うのは初めてです。

 

序盤こそエキサイティングな箇所がいくつかありますが…

 

全体的にはいたって歩きやすい登山道です。

 

不動寺の入口に立つ童子像。二体あるうちの一体で矜羯羅童子(こんがらどうじ)といいます。なんて柔和な表情。

 

画面右端の階段を上ると本堂に向かいます。その前に不動明王像(画面左端)を観賞します。

 

近付くと…やっぱり怒ってました。

 

本堂を見上げ、その迫力に思わず息をのみます。以前訪れた際はシートで完全に覆われていたので全容を眺めるのは今日が初めてとなります。

 

不安定な岩場に舞台造りの支柱が組まれています。わざわざこんなところに何故? というのが率直な感想です。

 

最上部は結構がっしりした造りです。すぐそばまで大岩が接近しているのが見て取れます。

 

いえいえ、接近どころか密着です。それも完全密着、大岩と本堂が一体化しています。

 

大岩に密着せんとするのは本堂だけではありません。三角点近くにあるこの岩は幹を飲み込もうとしているように見えます。

 

こちらは胎内めぐりの岩です。山頂一帯にこのような巨大な岩が、それも丸みを帯びた岩が重り合うさまは不思議というほかありません。

 

この地に立つと、誰もが大岩信仰をすんなり受け容れられるような気がします。

 

次なる目的地の大谷河原を目指し、移動します。

 

サルノコシカケの幼菌です。表面に水滴がつくのが特徴です。水ぶくれみたいで見ていて気持ちの良いものではありません。

 

幹にへばりつくのは一体何? よく見ると無数の穴が。ダメだ、気分が悪くなってきた…

 

随所に存在感のある巨岩が現れます。

 

いくつかあるうちの最も大きな池です。

 

水辺に近づくといかにも華奢なトンボが。キイトトンボというそうです。

 

こちらはよく見かけるシオカラトンボ。いや最近はほとんど見なくなったか。

 

シダが生い茂る道を進みます。

 

大谷河原に到着しました。砂地をさらさらと小川が流れています。ここでは時間が緩やかに進んでいます。

 

小ぶりな池もあります。

 

ヒツジグサが数輪咲いていました。池の透明度が高いので葉柄が水底まで伸びているのがよく分かります。今日はここで折り返して帰路につきます。

 

水がちろちろ流れるスリリングな岩場を慎重に下りました。ここまで来るとゴールは間近です。

 

太神山の存在は本格的に登山を始める前から知っていました。ハイキング雑誌で見ただけでしたが、登山道(参道?)のイメージがなぜか夢に出てきたこともありました。気にはなりつつ、結局登ることなく約三十年が経過しました。一昨年ようやく登る機会があり、この山の魅力に初めて気付かされました。そんなことをつらつらと考えるうちに今回は山に呼ばれたのではないかと思い至りました。お寺の修復を終えたので一度お越しなさいと。であれば、そのお姿、慎ましく拝ませていただきましたよ。