宝剣岳・御嶽山(2024.10.2~10.3)

第一日:千畳敷~浄土乗越~宝剣岳~木曽駒ケ岳~浄土乗越~千畳敷

第二日:田の原~王滝頂上~剣ヶ峰~二の池ヒュッテ~王滝頂上~田の原

 

ロープウェイ千畳敷駅に降り立ち、最初に訪ねるべきポイントは駒ヶ池です。何といってもここからの眺めがいちばん。

 

目指すは宝剣岳、そそり立つあの険しい頂きです。

 

秋めく山肌を横目に八丁坂を登ります。点在する岩にも趣きがあります。

 

駒ヶ根の町並みを眼下に従え、ホテル千畳敷が誇らしげです。

 

ロープウェイを増便するとのお知らせがスピーカーから流れています。これは朗報。

 

乗越浄土に立つと一気に木曽駒方面の視界が開けます。ただし木曽駒は中岳の影に隠れて全く見えません。

 

さあ宝剣岳です。靴紐を結び直し、ヘルメットをかぶっていざ出陣。

 

登山道から左に少しそれた場所に絶好の展望地があります。錦繡をまとった凛々しき御姿。

 

ルート上には要所要所に鎖がしっかり張られているので怖さはさほど感じません。

 

前回は霧に覆われていましたが、今回は晴天につき不安なく登れます。

 

あっという間に山頂です。ここまで来ればさすがに木曽駒があらわになります。判別しづらいですが、手前には中岳があります。

 

回り込むと小さな祠がありました。岩の舳先に立つ人をたまに見かけますが、自分にはとうてい無理。

 

御嶽山は独立峰であることに加え、かたちが特徴的なのでどこからでもたやすく見分けられます。

 

限られた人だけが立てる場所。ちょっとした優越感に浸りつつ山頂を後にしました。

 

下りは慎重に。鎖に沿って足場も確保されています。

 

無事下山しました。ゴリラも満更ではない様子。(右側に見えるのが天狗岩。ゴリラの横顔に見えるともっぱらの噂です。)

 

中岳の山頂に着きました。木曽駒へはいったん下って登り返すことになります。

 

木曽駒ヶ岳登頂。左手に人だかりがあります。ライチョウでもいるのかな。

 

案の定、ライチョウでした。今年は立山の雷鳥坂についで二度目です。

 

宝剣岳は山頂部が梵鐘のようなかたちをしています。その向こうに続く空木岳までの稜線は十数年前に縦走した思い出のルートです。

  

明日登る御嶽山をまぶたに焼き付けてから180度振り向き下山の途につきます。

 

下山路にイワヒバリが出現。撮影後もしばらくちょんちょんと並走してくれました。

 

宝剣山荘で昼食のカレーライスをいただきます。そんなことよりなんと宝剣岳の頂上で万歳している人がいました。

 

お腹を満たしたところで最後の下りにかかります。

 

背後を見上げるとこんな感じ。次々と人が下りてきます。

 

俯瞰すると駒ヶ池の周辺が最も色付いています。

 

登山道はやがて観光客も行き交う遊歩道となります。

 

足元は真っ赤な草紅葉。

 

ススキも真っ盛り。

 

駒ヶ池ではスケッチを楽しむ人たちが。対岸の紅葉が気になるので近付いてみます。

 

日本庭園のような光景。

 

池越しの宝剣岳は光の加減で早朝とは異なり、岩が立体的に見えます。

 

ちなみに今朝写したのがコチラ。全体的にのっぺりした印象ですが、水彩画のようなやさしいタッチともいえます。個人的にはこっちが好きかなあ。秋のこの時期に限ればの話ですが。

 

最後に駒ヶ岳神社に寄ってからロープウェイに乗り込みます。

 

下山後、「こまくさの湯」でひと風呂浴び、「明治亭」で駒ヶ根名物ソースかつ丼をいただきました。この後、道の駅木曽福島へ移動し、車中泊としました。

 


二日目。七合目にある田の原駐車場まで移動し、午前7時から登山をスタートしました。

 

あの大噴火から11年。噴火後もしばらく白煙を上げ続けていた姿が思い出されます。

 

御嶽山はどこからでも眺めることができ、ある意味、馴染みのある山ですが、登るのは初めてです。

 

登山道は迷いようのない整備された一本道。紅葉もほどよく進んでいます。

 

終日曇り予報ですが、風もなく、寒過ぎることもなく、登山にはうってつけの天候でした。

 

8合目を過ぎたあたりから岩がゴロゴロして多少歩きづらくなります。(画像はコケモモ)

 

周辺も低い草木ばかりとなります。(画像はシラタマノキ)

 

もうすぐ9合目というところまで来ました。

 

王滝頂上に着きました。

 

御嶽神社頂上奥社

 

最高峰剣ヶ峰に向かって進みます。

 

出発して3時間弱、お腹もすいてきました。もはや頭の中は二の池ヒュッテの担担麺のことばかり。これを邪念というのでしょうか。

 

随所に避難用シェルターが設けられています。

 

この階段を登り切ると剣ヶ峰山頂です。

 

山頂に立ちました。ポコッと盛り上がっているのが宝剣岳。距離は同じはずなのに、ここから見るほうが遠く感じられます。巨大な御嶽山によって引き起こされる錯覚です。(右後方には富士山も見えています。)

 

乗鞍岳とその奥に連なるのは槍穂高連峰です。

 

一の池を取り巻く外輪は長らく通行不能となっています。

 

一段下に見えるのが二の池。池の水は噴火の影響で消失したようです。とりあえずは二の池を目指して下ります。

 

荒れた大地をトボトボと担担麺のことを考えながら歩きます。振り返ると二の池越しに、先ほどまで居た剣ヶ峰が望めました。

 

ようやく二の池ヒュッテです。レッドカーペット(クロマメノキ?)に導かれるように歩みを進めます。

 

お待ちかねの名物担担麵です。来る人、来る人、皆、担担麵を注文されます(都合5杯)。山で食す本格担担麺、美味しかったなあ。

 

帰路は剣ヶ峰に登り返さず、巻き道を辿って再び王滝頂上に向かいます。

 

殺伐とした斜面をひたすら進みます。地獄谷には噴煙が。

 

王滝頂上から田の原までは一本道です。

 

クロマメノキとハイマツの組み合わせは愛すべき秋の風物詩。

 

ゴール地点(駐車場)がコース上のどこからでも見えます。これは安心材料。

 

ナナカマド

 

左右ともダケカンバだと思われますが、微妙に色が違っています。

 

ヤマハハコは今回の山行中、最も多く見られた花です。

 

互いが両手を広げているようで、なんか微笑ましい。

 

サクラっぽく見えますが、さて何の葉っぱでしょう。

 

レモンイエローに染まるのはイタドリかな。

 

往路に行きそびれた御嶽神社逍遥所に立ち寄りました。

 

休憩所に巨大な絵画が飾られています。白装束の人には会わなかったけど、信仰深い山であることはなんとなく実感できました。

 

登り始めは体がきつくて途中で引き返すことも想定していましたが、登っていくうちに体が順応していく実感がありました。(画像はウド?)

 

休憩時間を含めて約7時間の山行でしたが、余力を残した状態で登山口に戻ってきました。まだまだ捨てたもんじゃない。(画像はツリバナ)

 

企画にあたって最大の動機は千畳敷の紅葉を見ることでした。結果的に天候を含め絶好のタイミングで紅葉を堪能し、宝剣岳、木曽駒ケ岳の新たな魅力にも触れることができました。御嶽山に関しては、かねてから殺伐とした風景に抵抗がありましたが、実際に登ったところで印象は変わりませんでした。草木が乏しい上に人工物がやたら多い山にもう一度登ろうとは思わないでしょう。とか言いながら登るかもしれません、担担麵欲しさに。